Indigo Mercedes-AMGがトップに立ちチャンピオンシップの舞台は鈴鹿へ

17 June 2019

> Choiが地元開催で後押しされる坂本祐也に10ポイント差でリード
> GT4リーダーのTeam Studieはホームでの躍進に意気込みを見せる
> エントリー・リスト:鈴鹿

今週末(6月22/23日)、Blancpain GT World Challenge Asiaとなって初めて、伝説の鈴鹿サーキットを皮切りに、連続の日本開催として、スーパーカー28台が世界唯一の八の字サーキットに挑む。

Solite Indigo RacingのMG Choiはチャンピオンシップに向けて、地元の後押しを受ける坂本裕也に10ポイント差をつけてラウンド3に突入。それまでリーダーを守ってきたTanart SathienthirakulとPhilip Hamprechtはタイでのレース終了と同時に3位へ後退。

ところが2時間のレースでかかった50ポイントの勝ち点をめぐってタイトル・レースはまたその2週後に控える富士スピードウェイに再集結する時点で再び大きく変化する可能性がある。


GT3

アイコン的な存在となった130R、スプーン、デグナー・カーブといったコーナーのおかげで、偉大なレーストラックのひとつとして大きく評価される。そして今週末、そんなサーキットを懐柔すべく22台のGT3エントリーカーがBlancpain GT World Challenge Asiaとしてこのグランプリ・クラスの日本のコースに乗り込む。

スピードと一貫性の両方が求められる鈴鹿では、まさにMG Choiが今年の開幕から2ラウンドで証明してきたことだ。韓国人ドライバーは先のブリーラムで、Indigo Racingの一員としても初勝利をもぎ取り、4回のレースでチーム・ドライバー2人の交代を経て組むことになっても、それでも5位を下回ることはなかった。それは昨年のドライバー・チャンピオンシップで3勝を挙げて3位に入った#97 Mercedes-AMGのPatric Niederhauserと組んで日本でも更新され続ける予定だ。

坂本祐也も週末のブリーラムでチーム・ドライバーの交代を経験しながら、スタンディングで2位につけ、Andre Heimgartnerと並んで30ポイントを築きあげた。だがレース2で2位に入ったおかげで、彼らのHubAuto Corsa Ferrariは先の土曜に10秒のピットストップ・サクセス・ペナルティーを受けることになる。だがそんな後退と思える状況も、鈴鹿で証明してきたチームとマシンのスピードで上書きされる可能性もある。

HubAutoは2レース目のブリーラムの勝利で、15秒のハンディキャップを受けたため、Panther/AAS MotorsportのVutthikorn InthraphuvasakとAlex Imperatoriと同じサクセス・ペナルティーのリストに入る。タイとマレーシアにおいてPorscheの高速ペースはPro/Amの競合チームを抑えて、再び鈴鹿を牽引する役割を演じるだろう。

そんなタイ人/スイス人のコンビは、Porscheのエントリーで最高位となるAbsolute RacingのStahienthirakulとHamprechtから3ポイントをリードした状態で日本へ向かう。タイで厳しいレースを強いられた彼らは、Choiから15ポイント下回ることになるが、彼らも韓国人レーサーと同様に、先週土曜はサクセス・ペナルティーのない状態で参戦することになる。

その他、Martin RumpとWeiron Tanのクルーは、全体で8位がAudiの最高順位となる。Absolute Racingの#12 R8 LMS GT3は、今年十分に好調なペースを見せながら2度しかポイントを獲得に至っていないが、チームとRump自身としては12ヶ月前に勝利を収めた鈴鹿で幸転し始めるかもしれない。

他の注目すべきクルーとしては、ブリーラムで3位に入ったTSRTのDavid ChenとAnder Couto、またJefri Ibrahimと共にTriple Eight Racingでデビューを飾ったオーストラリアのスーパーカー・スターのShane van Gisbergenもいる。

その間、Alex Auと Frederik Schandorffは一貫した素晴らしい走りのおかげで、Pro/Amのチャンピオンシップ・リーダーとして日本へ向かうことになる。VSR Lamborghiniのクルーは、Inthraphuvasak/Imperatori組に5ポイント差をつけてリードし、Bhurit BhirombhakdiとKantasak KusiriのSingha Plan B Audiには更に12ポイントの差がついている。

また3つのAm/Amチームも鈴鹿で並ぶ。AMAC Motorsportのチャンピオンシップ・リーダー、William Porterと Andrew Macphersonは、Chonsawat AsavahameとAkihiro Asai (Vattana Motorsport) 、またデビュー組のShigekazu WakisakaとKei NakanishiのLM Corsaと競う。

そんな彼らは今週末、地元開催の中、日本の3つのGT3チームの1つとして競争する。ARN RacingのFerrariとABSSA MotorsportのMcLarenの2チームもまたローカル・エントリーとなる。


GT4

木下隆之と砂子塾長は今週末、チャンピオンシップでリードをとり続けたシリーズ初勝利の場へと帰還する。BMW Team Studieのこの日本人デュオは、今年M4で唯一勝利を飾ったFrank YuとJean Marc Merlinのペアに23ポイント差をつけて上回る。

木下と砂子はホームグラウンドで自信を持っていい理由はいくらでもあるが、15秒のサクセス・ペナルティーのおかげでレース1は危ういものになるかもしれない。彼らに最も近いチャンピオンシップ・チャレンジャーのYu/MerlinとBrian Lee/Tony Fongもハンディキャップを受けたため、アドバンテージはスタンディングで4位につけるTeam iRace.WinのRingo ChongとSetiawan Santosoにあるようだ。

だがTTRのLeeとFongを擁するGTO Racingは、Blancpain GT World Challenge Asiaの初勝利をぎりぎりで逃したタイでは特にいい状態に見えた。またGTOが今週末、ホームで走れる状況の中、ブレイクスルーとなる勝利のタイミングが鈴鹿で訪れる可能性は十分にある。

AudiとAbsolute Racingもまた、日本でGT4デビューを飾ることになり、Audi R8 LMS Cupのライバル、Anderson TanotoとMark Williamsonが初のチャンピオンシップ・レースでチームを構成。車はすでにヨーロッパとアメリカで勝者であることを証明しているが、Absoluteもチャンピオンシップを十分に知り尽くしている。BMWとMercedes-AMGはかなり拮抗しているとみていいだろう。


BLANCPAIN GT WORLD CHALLENGE

アジア、ヨーロッパ、アメリカにおけるSROの3つのスプリント・チャンピオンシップに参戦するメーカーは、各大陸で4人のドライバーをノミネートすることで、Global Blancpain GT World Challengeへ向けてのポイントを獲得していく。

Mercedes-AMGは、先だってソノマで行われたアメリカの最新ラウンドで、ライバルのFerrariに更に差をつけた。ドイツのメーカーは、今ではイタリアの3677と比べて5375ポイントを獲得。

Ferrariはアジアでスコアリング・ドライバーひとりの交代を発表し、現在はその“若きウルフ”にAndre Heimgartnerがノミネートされている。各メーカーは1シーズン中にひとつの地方につき一人の交代を許される。


ライブ・ストリーミング

今週末のレース1とレース2、それに予選の無制限のライブ・カバレッジがwww.gt-world-challenge-asia.comでご覧いただけ、同じカバレッジはチャンピオンシップのFacebookページとSROノGT World Youtubeチャンネルでライブ・ストリーミングされます。

また中国のファンは、両方のレースを、北京語の生の解説と共に、YouKu、Huya、Douyuなど自国のストリーミング・プラットホームでご覧いただけます。


ピットストップ・サクセス・ペナルティー – レース1

15s – #918 Panther/AAS Motorsport Porsche – Inthraphuvasak/Imperatori
10s – #27 HubAuto Corsa Ferrari – Sakamoto/Heimgartner
05s – #999 TSRT Audi – Chen/Couto

15s – #81 BMW Team Studie – Kinoshita/Jukuchou
10s – #11 GTO Racing with TTR Mercedes-AMG – Fong/Lee
05s – #77 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG – Yu/Merlin


鈴鹿 タイムテーブル

Thursday 20 June
09:30 – 12:30: Paid Practice 1
14:45 – 16:45: Paid Practice 2

Friday 21 June
13:00 – 13:45: Free Practice 1
16:10 – 16:55: Free Practice 2

Saturday 22 June
08:00 – 08:30: Official Practice
09:40 – 09:55: Qualifying 1 – GT4
10:02 – 10:17: Qualifying 2 – GT4
10:27 – 10:42: Qualifying 1 – GT3
10:49 – 11:04: Qualifying 2 – GT3
15:40 – 16:40: Race 1

Sunday 23 June
11:10 – 12:10: Race 2