> 伝説的な日本のサーキットが今年最大数のエントリーを惹きつける
> Absolute RacingのPorscheが地元に愛される坂本裕也にリード
> GT4ではBMW Team Studieがトップに君臨し続ける
> エントリー・リスト:富士スピードウェイ
Blancpain GT World Challenge Asiaの日本でのダブルヘッダーの2本目が、今週末(7月6/7日)の富士スピードウェイで開催。2019年の後半戦の開始を告げる31台のエントリーで賑わいも最高潮へ。
土日に開催される2本の60分スプリントは、GT3とGT4共に、それぞれ24台と7台と新たな出場申請が膨れ上がり、新参加組はこれまでのところ、今年一番のエントリー数へ。
さて、どんな展開となるのか。日本で最高峰の休火山の麓で、両クラスのチャンピオンシップをかけた大きな戦いが勃発するのか?
GT3
鈴鹿から2週間を経て、チャンピオンシップは225キロ東へ場所を移して開催。こちらも世界有数のサーキットで、Absolute RacingのTanart SathienthirakulとPhilip Hamprechtは、前戦で1位と3位にフィニッシュしたおかげでGT3スタンディングのトップに立ったまま望むことになる。
もちろんMG Choiにとっては厳しかった鈴鹿での戦いに助けられた面もあるが、前節までのチャンピオンシップ・リーダーだった彼らもわずか8ポイントの獲得となり、3位へ後退。今週は再びチームメイトのManuel Metzgerと組むことになるが、ドイツ人ドライバーはニュルブルクリンク24時間への出場のため、鈴鹿の欠場を余儀なくされていた。
鈴鹿のスリリングな2戦目のレースで、Jeffrey LeeとAlessio Picarielloが今季2勝目を挙げると、リードするCraft-Bamboo Pro/Amチームは総合順位で5位に挙げてきた。その勝利はMercedes-AMGとPorscheと共に3つずつ勝利を分け合うことになり、チームは今年これまで、Sathienthirakul/Hamprecht、Choi/Metzger、Vutthikorn Inthraphuvasak/Alex Imperatoriでそれぞれ表彰台のトップを経験してきた。
こうしたドイツ系メーカーによる“スーパー”スタートの障害ともなる“クリプトナイト”とかすのはFerrari、特にHubAuto Corsaの坂本裕也のおかげと言えるかもしれない。この日本人ドライバーは、今年の全てのレースでトップ6を収めるほど、自分のペースで効率よく、そして静かに継続的に勝ち点を積み上げてきた。他のライバルたちと異なり、土曜にピットストップ・サクセス・ペナルティーを受けることなく走り、488 GT3の坂本が、チームメイトでGTレーサーとしても経験深いMarco Seefriedと共にシリーズを通して初勝利を飾ることも想像に難くない。
坂本のいつものパートナーであるAndre Heimgartnerがオーストラリアでのスーパーカー・レースの予定とぶつかったため、富士スピードウェイの出場はかなわなかったわけだが、その代わり今回はSeefriedがチャンピオンシップ・デビューを飾ることに。
またニュルブルクリンク24時間のために鈴鹿を欠場せざるを得なかったImperatoriもまた今週末凱旋する。彼はPanther/AAS Motorsportのコー・ドライバーのInthraphuvasakが、Choiと共に総合スタンディングで3位タイをキープすると共に、2週間前に5レースで3位に入っていることで、Pro/Amのスタンディングにおいても比較的余裕でトップを走り続ける。
Audiはこの2019でいまだに勝利を飾れずにいるが、鈴鹿においても、ペースに乗れる気配は十分に感じられる。とは言え、なかなか運を味方につけることができないようだ。Martin Rump and Weiron Tanが乗るAudi Sport Asia Team Absoluteのエントリーは、ポールポジションでクォリファイを通過した後に十分なリードを保っていたが、パンクによってそのチャンスを逃してしまう。
また、Audi Sport Asia Team TSRTのR8は新たな顔として、David Chenと共に、先日のニュルブルクリンク24時間のクラス・ウィナーのRahel Freyをフィーチャー。
富士山の麓でワンラウンドだけのチャンピオンシップ参加を恒例とする地元チームも多く、2019年も例外ではない。Blancpain GT Series Asia に2シーズン参加しながらSuper GTへと転換したSuccess RacingのLamborghiniはX Worksと共に、恒例の参加を復活させている。
同様に、富士スピードウェイのゲートの目の前がベースのCARGUY Racingも姿を見せる。木村武史率いるチームは2017年にチャンピオンシップ・デビューを飾って以来、LamborghiniやFerrariなどを投入してきたが、山崎裕介もチームメイトに据えながらAm Cupの一員としてFerrariで週末に参戦する。
GT4
新しいエントリーはまた、GT4クラスで、スーパー耐久の常連、Birth Racing Projectが Mercedes-AMGでBlancpain GT World Challenge Asiaのデビューを飾る。日本のチーム、BMW Team Studie は、砂子塾長と木下隆之のおかげで、6レースを経た現在、クラス・スタンディングでリード。そこに富士では井田雅彦と梅田シンスケをラインアップに加えてBMWがもう一台投入する。
Studieのペアのリードは、ポイントで2位と3位に座る、Craft-BambooのFrank YuとJean-Marc Merlinと、TTRのBryan LeeとTony Fongも、必死の追い上げを見せるだろう。
鈴鹿でシーズン初勝利を挙げたRingo ChongとSetiawan Santoso (Team iRace.Win)も無視はできない。
BLANCPAIN GT WORLD CHALLENGE
SROのアジア、ヨーロッパ、アメリカの3拠点でのスプリント・チャンピオンシップに参加するメーカーたちは、各大陸から4ドライバーがノミネートされる、グローバルなBlancpain GT World Challengeへ向けてポイント獲得にしのぎを削っていく。
Mercedes-AMGは、先週のMisanoで行われたヨーロッパでの最新ラウンドでライバルのFerrariの更に先へ出ている。ドイツのメーカーは、イタリア・メーカーの4466と比べて、現在すでに6109ポイントを確保している。
ライブ・ストリーミング
今週、レース1と2と、クォリファイも加えたライブ配信がwww.gt-world-challenge-asia.com で無制限に視聴可能。また同じ配信がチャンピオンシップのFacebookページとSROのGT World Youtubeチャンネルでもストリーミング。
また、中国のファンは両方のレースを北京語の解説で、YouKu、Huya、Douyuのストリーミング・プラットフォームで視聴可能。
ピットストップ・サクセス・ペナルティー – レース1
15s – #88 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG – Lee/Picariello
10s – #918 Panther/AAS Motorsport Porsche – Inthraphuvasak/Imperatori
05s – #911 Absolute Racing Porsche – Sathienthirakul/Hamprecht
15s – #81 BMW Team Studie – Kinoshita/Jukuchou
10s – Not competing
05s – #77 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG – Yu/Merlin
アディショナル・ピットストップ・ペナルティー – レース・バイ・レースのビジター初参戦
07s – #19 Birth Racing Project Mercedes-AMG – Okumura/Yamawaki
07s – #82 BMW Team Studie – Ida/Umeda
07s – #83 X Works Audi – Tang/Thong
07s – #390 Saccess Racing Lamborghini – Kondo/Sato
07s – #777 CarGuy Racing Ferrari – Kimura/Yamasaki
富士スピードウェイ・タイムテーブル
7月5日(金)
12:40 – 13:25: Free Practice 1
15:55 – 16:40: Free Practice 2
7月6日(土)
08:00 – 08:30: Official Practice
10:25 – 10:40: Qualifying 1 – GT4
10:47 – 11:02: Qualifying 2 – GT4
11:12 – 11:27: Qualifying 1 – GT3
11:34 – 11:49: Qualifying 2 – GT3
15:45 – 16:45: Race 1
7月7日(日)
13:05 – 14:05: Race 2