プレビュー:鈴鹿と富士がFanatec Japan Cupの創立イベントで注目を集める。

プレビュー:鈴鹿と富士がFanatec Japan Cupの創立イベントで注目を集める。

> 連続開催となるFanatec GT World Challenge Asia Powered by AWSの第2ラウンドで少なくとも25台のエントリーが出揃う。
> 暫定エントリー・リスト:鈴鹿

初めての連続開催となるFanatec GT World Challenge Asia Powered by AWSのイベントは今週末、鈴鹿サーキットでのろしを上げる。真新しいFanatec Japan Cupとしても、17から25台のエントリーが揃う予定だ。

これまでのパン・コンチネンタル・キャンペーンとしては第3レースと第4レースが行われ、続いて、その7日後には富士山の麓へと移動し、さらに60分レース2本が開催される。日本のチームやドライバーの参加もさらに増えている。

だが目下のところ、注目は日本のF1の聖地にある。(鈴鹿)サーキットは我々SRO Motorosports Groupにとしても、パンデミック前に開催された2019年のSuzuka 10 Hours以来の訪問となる。

そうした長い時間の影響と、ピレリの2022年度版の新DHFタイヤが今週末のFanatec GT World Challenge Asiaでお披露目されるため、セパンでラウンド1と2に出走したフルシーズン・エントリー組を加えた全チームにとって、木曜から始まるテスト走行がゼロからのスタートになると言っていいだろう。

今年、合計4ラウンド開催の第一弾として行われるFanatec Japan Cupだが、(鈴鹿は)マレーシアでのオープニングとなった週末よりもずっと多くのエントリー数が予想される。17のGT3チームにメーカー9社が勝利を目指し、またポイントを賭けた戦いに挑む。GT4クラスの参加は2019年以来初めての7チームとなり、さらに現チャンピオンの1チームが招待参加として加わる。

それだけでなく、3つのカテゴリーに渡って17台がこの新しいFanatec Japan Cupの勝利に向けてポイントを重ねていく権利を持ち、それが日本人ドライバーとクルーで構成されるローカル・チームに割り当てられた“チャンピオンシップの中のチャンピオンシップ”と呼ばれる所以だ。


GT3

GT3のエントリー・リストに、今シーズン最初の出走となったセパンにおいて優勝と準優勝を飾った現在のチャンピオンシップ・リーダーのエイドリアン・デシルバとアール・バンバーの名前は見られない。代わりに、EBMのポルシェがタナート・サティエンティラクルとカンタディー・クシリという経験豊かなタイ人デュオを迎え、Pro-Amからシルバーへのスイッチを図る。

だが“クラス”替えを図るのは彼らだけでない:マーチー・リーの存在感のおかげで、X Workの#22アウディもシルバー・ステータスへ移り、セパンでそのカテゴリー唯一の代表であったYogibo Racingのフェラーリに至っては現在の2020年Super GT300チャンピオンである藤波清斗を立てている。通常は主にアマチュア・ドライバーのためにあるため、3つのエントリーがレース1の予選セッションでかなりレベルの高い走りを見せてくるはずだ。

そのうちの一台に乗るプリンス・ジェフリ・イブラヒムは、(ドライバーの)ニック・フォスターと共にセパンで母国勝利を飾り、スタンディングで2位につけている。デシルバ/バンバーが戻ってくる目処が立たない中、一番の好位置につけているTriple Eight JMRのクルーが、セティアワン・サントソ/リード・ハーカーと、チームメイトのプリンス・アブ・イブラヒム/ジャズマン・ジャファーにわずかなアドバンテージをつけながら、双方とも鈴鹿の1本目のレースでサクセス・ペナルティーが課される。

ところが今週末のスコアリング・ポイントとしても、GT3エントリーが9チームも増えたおかげでマレーシアよりもずっと厳しい戦いになることが予想され、その上、地の利を得る猛者ばかりとくる。その中でもBMW Team Studie、ABSSA Motorsport、Porsche Centre Okazaki、D’station Racing、LMcorsa、CarGuy Racingはこれまで培ってきたFanatec GT World Challenge Asiaの経験を出してくるだろう。

それに、今週末に登場する31人の日本人ドライバーは、先ほど触れた藤波を含め、何人ものビッグ・ネームが揃う。

日本人として初めてルマン24時間の勝者となった荒聖治も、彼のSuper GTのチームであり、新たにM4 GT3を導入するBMW Team Studieに残り、FIA WECのドライバーの星野敏と藤井誠暢も再びD’stationでタッグを組む。濱口弘は、2018年にAmクラスのタイトルを獲得して以来、初めてのシリーズに登場し、今ではライバルでもあるケイ・コッツォリーノと横溝直輝と共に、2017年の富士で獲得した勝利を上回る可能性もある。そしてなじみのとなった永井宏明/上村優太のペアは、3年前に初のPro-Amで総合3位を決めた同じ会場で、虎視眈々と母国勝利を狙っているはず。

その他にも、元F1、Indy 500、ルマンのドライバーとして知られる中野信治も、Comet Racingチームの監督として、Amペアの辻子依旦、山﨑裕介のクルーを支える。


GT4

7台のGT4のクルマがAmとシルバーAmのカテゴリーにわたり、今週末のポイントを賭けた戦いを挑むわけだが、そのうち6チームがFanatec Japan Cupのポイントの獲得資格を持っている。

母国アピールの必要がない唯一のチームはGTO Racingだが、そのラインアップにブライアン・リーの名前が並ぶ。 2018年と2019年にチームがGT4の表彰台を飾ったフィニッシャーとして名高い台湾人ドライバーは、2017年にはFanatec GTで2度出場している安岡秀徒と組む。

このクラスの他の6チーム/12人のドライバー全てがシリーズ・デビューとなる。

世界規模のパンデミックにより、元々は2020年に予定されていたTeam GMBのエントリーも延期となった。現在チーム・オーナーの波多野宏明と前スーパーGT300で2位に入った細川慎弥は、Mercedes-AMGに乗るチームであるComet Racing、Team Scalaと共に、初めてFanatec GTにお目見えすることになる。

2台のToyota GR Supraも、Akiland Racingと、最近Super GT300で成功を収めたシルバー・グレード・ドライバーの平中克幸を擁するKoshido Racingのおかげでエントリーできることに。

その間、CREF Motorsportは、唯一のマクラーレンと共に、F1でカルト的な人気を誇ったタキの甥である井上雅貴を擁してのエントリーとなった。

そして今週末は招待エントリーが1チームある。2019年に出走し、タイトルを獲得した現在GT4チャンピオンである砂子塾長は、植田正幸と共に、BMW Team StudieのM2 CSRで参加する。


追加情報

全てのレースで25分から35分のマンダトリー・ドライバー・チェンジが課される。そうなると、トップ3のフィニッシャーは追加で順に15、10、5秒のサクセス・ペナルティーが次レースのピットストップで課される。

今年の各60分レースはSROのGT World YouTubeのプラットフォームでライブ・ストリーミングされる。もちろん、日本のファンもJ Sportsの生中継で観戦できる。


鈴鹿 タイムテーブル(GMT +9)

7月14日 木曜
09:30 – 12:30: 有料プラクティス走行1
14:45 – 16:45: 有料プラクティス走行2

7月15日 金曜
12:15 – 13:15: フリー・プラクティス
15:30 – 17:00: オフィシャル・プラクティス&30分ブロンズ・テスト

7月16日 土曜
08:35 – 08:50: GT4 クォリファイング1
08:57 – 09:12: GT4 クォリファイイング2
09:22 – 09:37: GT3 クォリファイイング1
09:44 – 09:59: GT3 クォリファイイング 2
13:30 – 14:30: レース 1

7月17日 日曜
12:20 – 13:20: レース2