> #777フェラーリが1分と12ポジション分のビハインドをカバーし、センセーショナルな勝利を飾る
> Team Scalaの田代と谷川はGT4のポールポジションからクラス勝利に繋げる
> リザルト:鈴鹿 レース1
本日、ケイ・コッツォリーノはFanatec GT World Challenge Asia Powered by AWS史上、燦然と輝くであろう離れ業を成し遂げ、その木村武史とシェアするフェラーリで、最後の30分で、60秒と12ポジション分の遅れを巻き、鈴鹿のレース1をセンセーショナルな勝利で終えた。
しかしそんな素晴らしいパフォーマンスもどうやらチームワークの勝利と言えそうだ。それは木村がマンダトリー・ピットストップを受ける間、スリック・タイヤへの交換に強く拘ったためだ。その時のトラック・コンディションは確かに良いとは言えなかったが、コッツォリーノは長きに亘ってタッグを組んできた相棒を信頼し、粘り強く、みんながウェットタイヤに拘る中、次第に他のGT3エントリーと比べて6から8秒も速いラップを刻むように。
上村優太は2人がファイナル・ラップに入った最終コーナーから外に回りこむも、押さえ切ることができなかった。それでもPorsche Center Okazakiの、7位でピットインし、共に操縦するドライバーの永井宏明と分かち合った2位でも十分歓喜に等しい。
そのさらに後ろでは、Team Scalaの田代純と谷川達也がGT4のポールポジションから出発しながら、同じMercedes-AMGドライバーのブライアン・リーと安岡秀人に対して6秒差をつけて勝利を飾った。佐藤元春と平中克幸はKoshido Racingのトヨタを3位に導いた。
CARGUYのクレイジーなギャンブルが報われる
ある意味、CarGuyは4位でスタートしながら、2回のリスタートの1回目で木村が12位まで落ちても、それでも賭けに打って出る余裕があった。
最初のセーフティ・カーは、ポールポジションに肩を並べたYogibo Racingの横溝直輝が、ターン1で共にフロント・ローからスタートしたカンタディー・クシリとホイール・トゥ・ホイールで競り合うことに。ウェット・コンディションでのポルシェのアウトへの果敢な攻めが失敗したように見えた瞬間、フェラーリのリアタイヤは出口でスピンし、後ろ向きに内側のバリアに突っ込んだ。
シルバーのクシリは、今度は自分が前へ出てAmドライバーと競うことになるが、一度レースが中断されたことでアドバンテージを活かすことができず、その上、再開後すぐにチームメイトのセティアワン・サントソがEBM Giga Racing #8の911 GT3 Rを芝へ乗り上げてしまった。
中断していたレースがようやく始まる頃にはピット・ウィンドーがすぐそこまで迫っていた。だが他の者が最初に訪れたチャンスでピット入りする中、クシリと、同じチームのドライバーの大蔵峰樹がのちに木村をスピンさせ、12位まで沈めることになり、接触ペナルティーを与えられたが、当の濱口弘は先頭争いに加わった。
するとタナート・サティエンティラクルは、最初はストップの影響を受けることなく走っていたが、スピードを上げた上村とフォスターに飲み込まれることに。彼らはしばらく三つ巴で走っていたものの、Porsche Center Okazakiの911と、続くTriple Eightのメルセデス-AMGは、このタイ人ライバルを抜き去った。
ところが、まだまだ後方にも拘らず、すでに先頭争いは4台目のクルマが参戦する可能性がちらほらと見えてきた。コンディションを考えれば、コッツォリーノが一体どうやってそこまで事もなげに他車を追い抜いていくのか見当もつかなかった。だが実際にレース2のポールポジションをすでに確固たるものにしていたフェラーリは時に、まるで他のクルマが静止でもしているかのようにすいすいと対戦相手を抜いていった。
13位が瞬く間に10位となり、8位が4位と、ラップ毎に順位を上げているように見えた。サティエンティラクルは徐々に滑り落ち、残り3組となったところで、最後から2周目の半分あたりで追い越されてしまう。残るは上村一人となり、カシオ・トライアングルで防御体勢に入るものの、避け難い事態をわずかに阻んだに過ぎなかった。
コッツォリーノがチェッカー・フラッグを受け、その1周後に初のFanatec Japan Cupの勝利を獲得する頃に、彼は8秒差をつけられていた。
中西圭、脇坂薫一が共同で乗るLM corsaのフェラーリだが、後者が2回目のトライで荒聖治(BMW Team Studie)を追い越した。フィニッシュの時点で2人の開きはわずか0.5秒差に過ぎなかった。
そのさらに後方では、AMACのアンドリュー・マクファーソンとベン・ポーターがペナルティーを受けたReap Fueling Ambitionのランボルギーニを相手にAmクラスの勝利を0.2秒差で獲得。
GT4では、最初にスタートを切ったTeam Scalaのメルセデス-AMGがトップのまま終了。ポールポジションでスタートした田代は、2度のセーフティーカーのタイミングの1回目でもリードを維持し、他のクラスと違い、ピット・ウィンドーに一番遅く入ることを選択。実際、彼のメルセデス-AMGは最後にしてストップした唯一のクルマとなった。
コー・ドライバ−の谷川は、コー・ドライバーのリーが2位からピットインした安岡の前へ、2秒足らずでピットを走り出た。
平中は2度目のトライの際にメルセデス-AMGが表彰台独占を阻止するためにTeam GMBの細川慎弥をオーバーテイクし、スリップしやすいコンディションの中、BMW M2 CSRの木下貴之、砂子塾長はGT4のエントリーたちと共にフィニッシュした。
鈴鹿での第2レースは日曜の12:20 JST(GMT +9)にスタート。SROのGT World channel、または日本においてはJ Sportsで生中継される。