プレビュー:鈴鹿の次は富士スピードウェイ。いざ東へ。数週間に亘って続くチャンピオンシップ・イベントが早くも第2弾に突入

プレビュー:鈴鹿の次は富士スピードウェイ。いざ東へ。数週間に亘って続くチャンピオンシップ・イベントが早くも第2弾に突入

> フルシーズン・エントリー組に加え、パワフルなFanatec Japan Cupチームも再び参戦
> 暫定的なエントリー・リスト:富士スピードウェイ

何週間もかけて繰り広げられるFanatec GT World Challenge Asia Powered by AWSの第2弾イベントが、7月22-24日に富士スピードウェイで開催される。大陸を越えて競うコンチネンタル勢に、地元日本のチームやドライバーが挑戦するかたちで、接戦が予想される。

レギュラー・シーズンにおける第5、6ラウンドと、2022年の2本目となるFanatec Japan Cupのイベントは、素晴らしいレースと、予想だにしない結果が繰り広げられた鈴鹿の熱も冷めやらぬままに開催される。

来月に、同チャンピオンシップが次の舞台であるSUGOへ移る前に、GT3の16台、GT4の6台、TC招待枠の2台の合計25台が、今週の土日、富士山の麓で両日各60分のレースが行われる。

鈴鹿で十分なアドバンテージを確立したプリンス・ジェフリ・イブラヒムとニック・フォスターは、GT3ドライバー・チャンピオンシップとしてのアドバンテージを保ちながら最集結すると思われる。表彰台2回、対、セティアワン・サントソとリード・ハーカーのダブル・ブランクのおかげで、Triple Eight JMRのデュオは次に迫りくるライバルに38ポイント差をつけて競り勝っている。

木村武史とケイ・コッツォリーノは実際に、鈴鹿の第1レースの&「スリック勝ち」の素晴らしいレース運びで5ポイント差に迫っている。だが彼らのフェラーリがFanatec Japan Cupの4ラウンドしか出場しないことで(CarGuy RacingがPro-Amのペアリング・リードをとるクラスで)イブラヒムとフォスターは総合タイトルの獲得を心配する理由はあまりない。

ところが、#99のメルセデス-AMGが日曜に2位に入ったことで、レース1で10秒のサクセス・ペナルティーが課される。逆にペースとしては可能性を見せながらも、CarGuyは前回、表彰台を捉えるチャンスが二度あったにも拘らず、最初の頃はファクトリーが富士から1マイルしか離れていないためハンディキャップがない。

その間、Triple Eight JMRとしてエントリーされたもう1台の、プリンス・アブ・イブラヒムとジャズマン・ジャファーが2ポイントしか稼げなかった鈴鹿で、EBM Giga Racingのポルシェよりはうまく走れたようだ。

週末はポール・ポジションで華やかなスタートを切りながら、交換車両が必要となるほどの第1レースの事故のせいでダブルのノー・スコアに泣いたYogibo Racingも同じ状況だった。今週末、藤波清斗と横溝直輝は同じ新しいシャーシを共有するが、横溝は2017年にコッツォリーノとCarGuyという同じ組み合わせで総合優勝をかっさらっている。

CarGuy以外でも、何チームかの Fanatec Japan Cupのエントリー車は、今週末も戻ってくる。その中でも特に鈴鹿の第2レースで、ウェットなコンディションながらもトップ6に入る猛チャージを見せたPorsche Center Okazakiの永井宏明と上村優太は、総合でチーム2位の平均を叩き出した。

BMW Team Studieも表彰台に上ったが、それでもレース2において、山口智英と荒聖治のおかげでM4 GT3で2番目に早いタイムで予選を駆け抜けた。5秒のサクセス・ペナルティーが土曜の彼らのチャンスの前に立ちはだかる。

Comet Racingの予想もしない総合優勝に触れることなく鈴鹿を語ることはできない。特にFanatec GT World Challenge Asia史上初のAmペアリングとくればなおさらだ。辻子頼雄と山﨑裕介の成功には状況と運も加担していたことは想像に難くないが、不利な状況下でも、歴史はその勝利の証人となるはずで、ホンダの母国でのシリーズ勝利も記憶に残るはず。土曜のフルで15秒のサクセス・ペナルティーはレース1のピットストップ時に課され、クラスの栄誉を賭けた戦いに立ちはだかるかもしれない。

他ではAudi Sport Asia Team X Worksの#91のエントリー車が、金曜のプラクティス走行の火災で受けた大ダメージのせいで富士ラウンドを欠場する。代わりに、以前はサンディー・ストゥヴィックが駆り、#22のR8に乗るふだんのペア・ドライバーであるショーン・トンが、デヴィッド・パンのパートナーとして出場する。


GT4

波多野宏明と細川慎弥の2人がGT4の総合とFanatec Japan Cutのチャンピオンシップ・リーダーとなり、鈴鹿で出走した同じ7台のうち6台が富士に移動してきた。

4位、またポールポジションから優勝までかこつけたおかげで、2ラウンドを経てもなお同じ合計ポイントで3チームが肩を並べる中、Team GMBのメルセデス-AMGが4ポイントのリードを奪った。しかし、土曜に最大のサクセス・ペナルティーの苦しみを味わうのも、今度は彼らの番だ。

それならばレース1の勝者、田代純に聞けばいい(彼はポールで予選を通過した)。先週日曜に15秒のハンディキャップを受け、チャンスに制限がかかった谷川達也(Team Scala)もいる。だが表彰台のチャンスがGT3の車両との接触によって阻止されるまで、3位、いや、うまくいけば2位に入れるかもしれない状況にいた。

逆にブライアン・リー/安岡秀人(GTO Racing Team)に佐藤元春/平中克幸(Koshido Racing)は、より軽微なサクセス・ペナルティーとなったおかげで、2位、3位でフィニッシュした。

先週末のダメージを受けて、CREF Motor Sportのマクラーレンは富士を欠場する。

他にはBingo Racingのポルシェ911のGT3カップが、Fanatec GT World Challenge Asiaに出走する初のGTCエントリーとなり、さらに2台のBMW M2 CSRがTC招待クラスでチャンピオンシップ・デビューを果たす。


追加情報

25分と35分のマンダトリー・ドライバー・チェンジが全てのレースで適用される。そこでトップ3で終えた者は、次のレースのピットストップでさらに各々15、10、5秒のサクセス・ペナルティーを課される。

今年の60分の各レースはSROのGT World YouTubeのプラットフォームで生中継される。また日本のファンもJ Sportsの生中継で観戦できる。


富士のタイムテーブル(GMT +9)

金曜 7月22日
11:10 – 12:10: フリー・プラクティス
15:00 – 16:30: 公式プラクティス&30分のブロンズ・テスト

土曜 7月23日
09:40 – 09:55: GT4 予選1
10:02 – 10:17: GT4 予選2
10:27 – 10:42: GT3 予選1
10:49 – 11:04: GT3予選2
14:45 – 15:45: レース1

日曜 7月24日
13:10 – 14:15:  レース2


サクセス・ペナルティー(レース1)

15秒 - #7 Comet Racing 
10秒 - #99 Triple Eight JMR
5秒 - #5 Plus with BMW Team Studie

15秒 - #33 Team GMB
10秒 - #12 Koshido Racing
5秒 - #14 GTO Racing Team