プレビュー: Fanatec GT World Challenge Asia Powered by AWSが宮城県の山あいへSU-GO! GO! GO!

15 August 2022

> 暫定エントリー・リスト:スポーツランドSUGO

今週末、スポーツランドSUGOは初めて、Fanatec GT World Challenge Asia Powered by AWSとしても、 SRO Motorsports Groupとしても、日本開催のサーキット・キャンペーンの全10レース中の第7・8ラウンドの開催地となる。

GT3総合でもFanatec Japan Cupでも、日曜日にタイトルを決する可能性がある。だがそれもこれも想定外の結果が作用してくる。逆にチャンピオンシップを賭けた戦いは、来月にシーズン・フィナーレを迎える岡山まで持ち越しそうな勢いだ。

日本最大のモータースポーツ施設であるSUGOは日本の北東部にある宮城県の山間部にある。1975年に創設されたSUGOは、これまでSuper Formula とSuper GT といった国内有数のカテゴリーを定期的に開催してきた。だが現在12ターンで構成される3.7キロ長のサーキットも、20年ほど遡った87年に、海外のメジャーイベントは、FIM Superbike World Championshipを初開催して以来のこと。

序盤はかなりのテクニックを要し、周回を重ねる毎にどんどんスピードが上がる傾向のあるトラックは、Fanatec GT World Challenge Asia のインターナショナル・チームにとっては未知の領域でもある。逆にSuper GTやSuper Taikyuなどでの経験を誇る日本チームやドライバーにとって最初は有利に働くだろう。

先行を狙うイブラヒムとフォスター

今週日曜には、経験不足と最大サクセス・ペナルティーが不利に働きかねないプリンス・ジェフリ・イブラヒムとニック・フォスターだが、最低でも数字的に見ればGT3総合のドライバー・タイトルを手にできる算段だ。それでもTriple Eight JMRの#99 メルセデス-AMGはこれまでの6レースで注目のエントリーとなり、ジョホール/オーストラリアのコンビは2度の優勝、2度の表彰台に、4位、5位と記録を残してきた。

イブラヒム/フォスターが前回の富士でスコアした2勝利のうちの2戦目は、今週土曜に彼らの車両がレース1のピットストップ中にアディショナルで15秒動けないことが負荷となる。それだけでタイトルを巡って争う競合たちに対して順位を下げたり、ポイントを失う可能性もある。

その筆頭となるのがCarGuy Racingの木村武史とケイ・コッツォリーノで、鈴鹿と富士での素晴らしいパフォーマンスのおかげで30ポイント差につけている。今週末にも蛍光イエローのフェラーリは、4回の試みのうち3回のポールに、2度の勝利とさらなる表彰台という素晴らしい走りを維持できれば、その差がさらに縮まることになる。

同じペアは Fanatec Japan Cupでも目を引く存在となり、永井宏明と上村優太(Porsche Center Okazaki)に19ポイント差でチャンピオンシップをリードする。そんな彼らも総合のタイトル争いに残るにはSUGOで2回の大きなリザルトを刻まなければならない。富士で2位となったことは、最近のSuper Taikyuで、同じペアで2位に入ったポルシェが、レース1のサクセスペナルティーを利用しつつチャンピオンシップのトップ2に入ることを意味する。

Yogibo Racingの横溝直輝も、現実的なタイトル争いの好敵手だが、今週末ハンディキャップ・フリーのオープニング・レースで最大限の力を発揮せねばならない。ベビーブルーのフェラーリが母国勝利に王手をかける前に、藤波清斗と乗るシルバー・カップ・エントリーにとって、Amドライバーが主となるGT3のQ1においてアドバンテージとなるだろう。

総合でのタイトル争いに入らないものの、Fanatec Japan Cupの競争に入ってくるべき2台に、富士では力強いパフォーマンスを見せられなかったBMW Team StudieとD’station Racingがいる。双方ともプロを擁するチームの荒聖治と藤井智暢はSUGOで十分な経験を誇り、BMWとアストン・マーチンはハンディキャップ・フリーの第1レースを楽しむだろう。

また、今週末の新たなAm Cupの挑戦者として、Super GTでは常連のAudi Team Hitotsuyamaから昨年のFuji 24 Hoursで同じ車両に乗る小倉基博と都築晶裕のペアが出場する。R8の特徴的な赤いホイールには要注目だ。

さらに後方では、今週末、新たにGT4クラスに4台が参戦することになり、どのチームもチャンピオンシップをリードしているわけではない。スタンディングでトップに並ぶTeam ScalaとKoshido Racingのペアリングは、鈴鹿と富士のみの出走のため、残る4レースは他の者たちにも門戸が開かれる。

Team GMBの波多野宏明と細川慎弥は、鈴鹿での勝利に続き、不運に見舞われ富士を制することができなかった。ところがこれまで一貫して素晴らしい走りを見せてきたGTO Racing Teamのブライアン・リーと安岡秀人に4ポイントのリードをつける彼らは、現在SUGOのラインアップで最良の位置につけている。

そうしたSilver-Amエントリーに、Akiland Racingの大山正芳と斎藤真紀雄、Comet Racingの坂井一裕と藤井正明を擁する2台のアマチュアのみの車両が加わる。

追加情報

全てのレースに25、35分のマンダトリー・ドライバー・チェンジが適用される。トップ3で終えたドライバーは、次のレースのピットストップで追加の15、10、5秒のサクセス・ペナルティーが課される。

今年の60分の各レースはSROのプラットフォーム、GT World YouTubeでライブ・ストリーミングされる。日本のファンもJ Sportsが提供する生配信で視聴可能だ。

SUGOタイムテーブル(GMT +9)

金曜 8月19日
11:10 – 11:40: 有料テスト走行
11:40 – 12:40: ブロンズ・テスト走行
15:30 – 17:30: 公式プラクティス走行

土曜 8月20日
10:30 – 10:45: GT4 予選1
10:52 – 11:07: GT4 予選2
11:17 – 11:32: GT3 予選1
11:39 – 11:54: GT3 予選2
16:10 – 17:10: レース1

日曜  8月21日
11:30 – 12:30: レース 2


サクセス・ペナルティー(レース1)

15秒 - #99 Triple Eight JMR
10秒 - #30 Porsche Center Okazaki 
05秒 - #777 CarGuy Racing

05秒 - #33 Team GMB