プレビュー:タイトルを賭けた岡山での戦いを前に木村/コッツォリーノ組、イブラヒム/フォスター組が同率に

プレビュー:タイトルを賭けた岡山での戦いを前に木村/コッツォリーノ組、イブラヒム/フォスター組が同率に

> CarGuyとTriple Eight JMRも2レースを残すのみ
> リーと安岡ペアはGT4ライバルの波多野と細川組に6ポイント差で先行
> エントリー・リスト:岡山

木村武史とケイ・コッツォリーノは今週のFanatec GT World Challenge Asia Powered by AWSのタイトルを賭けた岡山でのシーズン・フィナーレに向けて、ライバルのプリンス・ジェフリ・イブラヒムとニック・フォスターと獲得ポイントでタイに並ぶ。

前回スポーツランドSUGOで起きた驚きの展開のおかげで、CarGuy Racingのフェラーリと、#99のTriple Eight JMRのメルセデス-AMGは、日本の西で開催される最後の2レースで、最大50ポイントを賭け、GT3のトップ・タイに並ぶ。

計算上は、横溝直輝にもまだ勝利の可能性があるものの、現状29ポイント差を覆すにはチャンピオンシップ・リーダーが何らかのかたちで失敗しない限りは難しい。タナート・サティエンティラクルとカンタディー・クシリ(AAS Motorsport)に32ポイント差をつけるYogibo Racingのフルシーズン・ドライバーにとってはGT3シルバー・カップの王座獲得の方がはるかに現実的だ。

一方、AMAC Motorsportのアンドリュー・マクファーソンとベン・ポーターは、濱口弘と大蔵峰樹(Reap Fueling Ambitions)に対して43ポイントのリードを保っているおかげで、その人気と共に、GT3 Am王座を確実なものとするだろう。

ところがGT4は2チームが6ポイントが僅差で並びながら、もう1チームにも可能性が残されている。GTO Racing Teamのリーと安岡は、ライバルのTeam GMBの波多野と細川にわずかなアドバンテージを持つが、Fanatec Japan CupのAmチャンピオンの座を新たに手にした大山正芳(Akiland Racing)はトップの位置から21ポイント差につけている。


2022年は僅差の戦いとなる

13枠のFanatec GT World Challenge AsiaとFanatec Japan Cupの総合とクラス別のドライバー・タイトルのうちの1つは、今週土日に第9・10ステージが開催される岡山を前にすでに決定している。

コッツォリーノと木村は、SUGOのフィニッシュ・ラインの場所を見誤りさえしなければGT3の総合タイトルに王手をかけたも同然だったが、おかげで彼らのフェラーリはレース2のチェッカー・フラッグを受けた時点で首位から3位に後退した。同様にイブラヒムとフォスターも、最後から2周のところで、プリンスが4位の位置でスピンさえしなければ、スタンディングでまだ好位置につけられたかもしれない。

結果として、両クルー共に108ポイントで肩を並べながら、岡山で60分レースを2本残して、新たに参戦するコルヴェットとレクサスも加えて、10社のメーカーで、17台のGT3カーがスタートを切ることになる。

それでも、もしイブラヒムとフォスターがポイントをスコアできなければ、レース1で勝利を決定づけるかもしれない木村とコッツォリーノがそもそもわずかながらもアドバンテージを有する。レース2のリザルトでまだ数字的に並ぶことは可能だが、フェラーリが3位に入っている回数の(2回に1回)の多さから、ポイント上は#777のクルーが土曜の午後にチャンピオンシップを決めるのに十分だろう。

今年これまで開催されてきた全8レースのうち、#99のスコアリング・ポイントから見て、そのシナリオはあまり現実的ではないだろう。そもそも木村とコッツォリーノはSUGOの第2レースで3位に終わったために5秒のサクセス・ペナルティーが課される。

どちらの車にトラブルが起きても、Yogiboの横溝がタイトルを狙って戦いを挑むチャンスを与えられることになるが、それもこれも彼が藤波清斗と乗るフェラーリが土曜に優秀な成績を残すことにかかっている。だがそのシナリオは、SUGOでシーズン初めての総合での勝利を飾ったシルバー・カップのクルーの先に立つにはほど遠いようだ。

彼ら(特に横溝)のフェラーリが、サティエンティラクルとクシリのAASポルシェに勝てばレース1で決まるシルバー・カップのタイトルに睨みを利かせるだろう。ただし2台ともシリーズの予選フォーマットのおかげで、SUGOでそうだったように、岡山のレース1でも最前列につく。

その間、同じ2チームがチャートでトップに立っているにも拘らず、GT3のPro-Amクラスは総合チャンピオンシップより明快だ。イブラヒム/フォスターが木村/コッツォリーノのペアを14ポイント差でリードしている。

同様に、木村とコッツォリーノがFanatec Japan Cupの総合とPro-Amのタイトルの獲得するのを防ぐには、レース2でCarGuyのミスの大きな要因となった星野聡と藤井誠暢ペアに36ポイントのリードを保っているためには大どんでん返ししか残されていない。ところが最後の数メートル間で決まった総合勝利も、今週土曜にはD’stationのアストン・マーチンが15秒の最大サクセス・ペナルティーに縛られる。

だがFanatec Japan CupのGT3 Amクラスは、濱口/大蔵、山﨑雄介/辻子頼雄、植松忠雄/内田雄大らのチームがわずか10ポイント差の中でひしめく、三つ巴の戦いとなる。

かたや2つのメーカーが、Fanatec GT World Challenge Asiaでデビューを飾る。Bingo RacingのコルヴェットC7.Rは、Suzuka 10 Hoursで2度参戦した以外はこのシリーズで走ったことがなく、K-tunes RacingのレクサスRC F GT3はSuper GTとSuper Taikyuで常連チームだが、こちらもSROアジアのエントリー・リストに参加したことはなかった。

その間GT4は、最後に鈴鹿で走ったCREF Motorsports McLarenが戻ってくる。だが今週末に注目の的は、いくつものクラス・チャンピオンシップを賭けたバトルに違いない。

先に説明したように、フルシーズンの総合タイトルを賭けた戦いは、21ポイント差の中に3チームのライバルがいる。そのうちの2チーム、Team GMBの波多野/細川とAkilandの大山が、Fanatec Japan Cupのチャンピオンシップに名乗りを挙げる。


追加情報

全てのレースで25分から35分の間で必ずマンダトリー・ドライバー・チェンジが課される。トップ3のフィニッシャーはそこからさらに、次レースのピットストップで15、10、5秒のサクセス・ペナルティーを課される。

今年の全ての60分レースはSROのGT World YouTubeのプラットフォームでライブ・ストリーミングされ、日本のファンはJ Sportsで生中継が視聴できる。


岡山のタイムテーブル(GMT +9)

9月22日 木曜
10:30 – 12:00:有料練習走行1
13:50 – 15:20:有料連中走行2

9月23日 金曜
12:00 – 13:00:フリー走行
15:30 – 17:00:公式練習走行&ブロンズ・テスト

9月24日 土曜
09:50 – 10:05: GT4 予選1
10:12 – 10:27: GT4 予選2
10:37 – 10:52: GT3 予選1
10:59 – 11:14: GT3 予選2
14:50 – 15:50: レース1

9月25日 日曜
11:35 – 12:35: レース2


サクセス・ペナルティー(レース1)

15秒 – #47 D’station Racing
10秒 – #5 Plus with BMW Team Studie
10秒 – #30 Porsche Center Okazaki (富士から持ち越し)
05秒 – #777 CarGuy Racing

15秒 – #71 Akiland Racing
10秒 – #14 GTO Racing Team 
05秒 – #33 Team GMB